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DellがPCのオンライン販売ビジネスを始めたときの状況と少し似ている。人々が現物を見ずに、オンラインで携帯電話を購入する時代が来たのかもしれない。GoogleはDellのモデルをまねようとしているのではないか。これは、携帯電話を店舗で販売しているRadio Shack、Best Buy、Wal-Martなどの小売業者と競合するものだ。Amazonにとっても少しプレッシャーになるだろう。Amazonはこれまで携帯電話ビジネスを本格的に展開したことがないからだ。
一方Googleは、オンライン小売店としてはAmazonのような地位に達したことがない。全世界で年間約10億台の携帯電話が販売されていることを考えれば、Googleがこの市場に参入してオンラインストアを再構築したいと考えるのは当然だ。多数の人々が携帯電話を見るためにGoogleのサイトにアクセスすれば、それはGoogleの広告収入にもつながる。広告こそがGoogleの本業なのだ。
小売り販売という視点から見れば、彼らの発表は特に興味深いものではない。今日、キャリア自身が運営しているものや、Amazon、Best Buy Mobileなど、携帯電話を購入できるオンライン小売店は数多く存在し、そこで契約期間なしの全額負担で端末を購入するか、もしくは価格補助を受けた端末を選ぶことができる。
これは大きな変化ではない。彼らの唯一の差別化要素は、高い人気が予想される端末の独占販売権を持っているということだ。しかしこれは、iPhoneをAppleから直接購入する場合にApple Storeに行くのと少しも変わらないのではないだろうか。
などの見解があるようだが、そんなに深読みするほどのことではない気がする。
Googleのこれまでの、そしてAndroidにおいても一貫しているのはオープンを売りにしており、それは開発者にとって一番望まれることは周知の事実。
ゲーム機にしてもそれ以外にしても、プラットフォームやインフラでは、その上に乗るコンテンツやサービスが豊富であるということが絶対条件となる。それには彼らを取り込むことが一番普及の近見と考えているはず。
また、既にAppleのiPhoneで分かっているのは特定のキャリアに縛られることを一般ユーザーは嫌うということ。米国ではAT&T縛りによって文句が多く、日本国内ではソフトバンク縛りで文句を言われる。
Googleとしては端末のOSを提供しているのみで、実際のハードやOSを採用した端末(メーカー)が乗っかるキャリアなどを選ぶことはできない。Android OSを多くの端末メーカーが採用し、多様なキャリアから発売されることを祈るばかりだ。もちろん、弱い部分を補強すべく特定メーカーへ積極的に働きかけるだろうが、採用されるかどうかわからない。
それを考えると、Simロックフリー端末を直販してしまい、キャリアは購入者に委ねるという方法はある意味賢いのではないだろうか。
しかし、これにも弱点がある。 欲しい人に自由に売れる代わりに、キャリアからの補填が効かないため端末価格が高くなる。また、国により違いはあるがパケット通信費の扱いも基本的にはキャリアから購入する場合より高額な支払いになるだろう。たとえば。Simロックフリーな「Nexus One」を購入し、日本で利用する場合、NTTドコモでは「パケ・ホーダイ ダブル」のパソコンなど外部機器を接続した通信扱いとなり、上限13,000円(税込13,650円)の支払いとなってしまう(最大通信速度を128Kに絞った場合5,700円にすることは可)。ソフトバンクも同様で通常のよりも高額な上限となる。(ソフトバンクの場合ひょっとしたら青天井?)
ここまでしてでも、Simロックフリー版を手に入れたいという人は、そう多くないとは思う。しかし、早く普及させるために各メーカーへ働きかけたり、市場の流れに身を任せているよりはアグレッシブな戦略だと思われる。
ということで、Amazonの販売モデルが云々とか、自社サイトへの誘導がどうとかいうことは考えすぎじゃないだろうか。
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